ロータリークラブとは

ロータリークラブとは自分の職業を通じて、地域社会と国際的に貢献することを実践する、全世界200以上の国にネットワークを形成している奉仕団体です。
1905年にシカゴで創設されたロータリーでは、110年以上、さまざまな職業をもつ人や市民のリーダーが「世界を変える行動人」となり、その経験と知識を生かして社会奉仕活動や人道的活動に取り組んできました。
あらゆる職業からなるロータリーアンは、自分の事業や専門職において、高度の倫理基準を奨励し、地域社会で積極的な役割を果たしながら、かつ全世界における親善と平和の確立に寄与することを目指しています。識字率向上、平和構築、水と衛生の改善など、幅広い分野で持続可能な影響をもたらすために、ロータリーの会員は毎日、世界のどこかで活動しています。
またロータリーアンは、所属ロータリー・クラブと国際ロータリーを通じて、クラブ、地元地域、さらには世界中の人々と交流する機会が提供されています。

ロータリーの目的(定款第5条)

ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある。
第1  知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること
第2  職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること
第3  ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において日々、奉仕の理念を実践すること
第4  奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること

ロータリーの本質 Core Essence

「地域の人々の生活を改善したいという情熱を 社会に役立つ活動に注いでいる、献身的な人々の世界的ネットワーク」

中核的価値観 Core Values

ロータリアンの行動原理・行動規範として、私たちが共有すべき5つの「中核的価値観」があります。

1.奉仕 Service
ロータリーの目的は、「奉仕の理念」を奨励・育成することですから、「奉仕Service」がロータリー理念の中心概念であることはいうまでもありません。現代ロータリーでは、「奉仕Service」を最も広い意味で使っています。
すなわち、「社会に役立つ価値を提供すること」 「世のため人のために尽くすこと」 です。

2.親睦 Fellowship
「親睦」の原語“Fellowship”の原義は、「仲間意識、仲間同士の親交、友情」ということです。「奉仕」と「親睦」はロータリーの2本柱、と昔から言われていますが、「奉仕の理念」を共有する仲間との例会での奉仕の心の研鑽や地域社会での奉仕活動の実践を通じて育まれるのが“Fellowship”です。

3.多様性 Diversity
多様性が保たれていることが、組織活力の源泉です。ロータリーの「職業分類制度」は、ロータリーの多様性を端的に示しています。年齢や性別も問いません。(ロータリーでは1989年に女性の入会が正式に認められた)
また、ロータリーは、人種や国境を超えて200以上の国と地域に広がる国際的なネットワークになっています。奉仕活動の分野も多岐に渡っています。

4.高潔性 Integrity
“Integrity”は「高潔性」と訳されていますが、日本語の適訳がなかなか見つかりません。一言ではなかなか表現できないのですが、“Integrity”は、一貫した『誠実さ』『真摯さ』『高潔さ』など、リーダーが具えるべき『人徳』・『人間力』と言ってよいと考えます。私たちロータリアンは、自己研鑽によって、“Integrity”を高める努力をする必要があります。
“Integrity”は次項の“Leadership”を十分に発揮するための条件としても、欠かせない要素です。

5.リーダーシップ Leadership
ロータリーでは、“Leadership”という言葉を多用しますが、それは、ロータリーが、「事業・専門職務のリーダーと地域社会のリーダーからなる世界的ネットワーク」であるからです。ロータリーはリーダーの集まりなのです。しかし、ロータリーにおける「リーダーシップ」の発揮の仕方は、企業における発揮の仕方とは、いささか異なります。RCは、企業のように権限を持ったトップが指示・命令して動かす組織ではありません。ロータリーの組織運営は、会員の平等・対等な関係が前提になります。クラブの組織力を高めるためには、会員全員の合意形成・対話・協力が重要です。
クラブ会員全員にリーダーシップ開発の機会を提供するのは、クラブ研修リーダーの役割です。
ロータリーでは、会員全員が、必要に応じてリーダーシップを発揮するよう、期待されています!

日本のロータリー

わが国最初のロータリークラブは1920(大正9)年10月20日に創立された東京ロータリークラブで、翌1921年4月1日に世界で855番目のクラブとして、国際ロータリーに加盟が承認されました。その後、日本のロータリーは、第2次世界大戦のため、1940年に国際ロータリーから脱退します。
戦後1949年に再び復帰加盟した後は、拡大発展を続け、現在では日本全体でクラブ数2,258 会員数88,956人(2018年7月末現在)と成っています。
国内のクラブは、34地区に分かれ、当地区は第2840地区(群馬県1県)として、クラブ数45(6つの分区に分かれる)、会員数2,132人(2018年8月末日現在)を擁しています。
前橋市内には、当前橋ロータリークラブをはじめ、西、東、北、南、中央の6ロータリークラブがあり、第2840地区第一分区と呼称されています。
当クラブは、1953年(昭和28年)発会し、2013年に創立60周年を迎えた老舗クラブです。現在では、2840地区中、最大会員数を誇る大クラブに発展しています。

国際ロータリー会長のメッセージ

ロータリー:変化をもたらす

数年前、知り合った人からある質問をされました:「ロータリーとは何ですか?」シンプルであるはずのこの質問に答えようと口を開きかけたところで、思わず止まってしまいました。どこから説明してよいか分からなかったのです。ロータリーとは何かを、私が知らなかったわけではありません。問題は、ロータリーがあまりに大きく、複雑すぎて、簡単に説明できないことでした。

ロータリーとは、会員制の団体、クラブを基盤とした団体、奉仕を行う団体であり、町ごと、地域ごと、そして全世界で活動する団体です。その会員は、地域社会のメンバー、事業人、職業人であり、現役で仕事をする人もいれば、定年退職した人もいます。そして、世界のほぼすべての国で活動しています。120万人の会員一人ひとりが、独自の目標と優先を掲げ、一味違った経験をしています。一人ひとりが、ロータリーを独自の解釈で理解しているのです。

私にとってロータリーとは、「どのような団体か」ではなく、「何をしているか」で定義されます。すなわち、ロータリーが私たちに与えてくれる可能性、そして、その可能性を有意義かつ持続可能な奉仕によって実現する方法によって、定義されるのです。ロータリーには、112年の豊かな歴史があります。この間にロータリーは、徐々に成長し、成熟し、会員と地域社会の変わりゆくニーズに対応しながら、ある意味で大きく変わりました。
しかし、その根底にあるものは同じです。それは、地域社会と世界に変化を生みだしたいという願い、そして、ロータリーを通じてそれを実現できるようになった人が集まった組織だということです。「ロータリーとは何ですか」という問いに、私たちは行動をもって答えます。

奉仕を通じて変化をもたらすことによって。 組織として、私たちは、ロータリーとは何か、何をするのかを世界に理解してもらうことが、いかに重要であるかを認識しています。同時に、各クラブがロータリー奉仕を独自に定義することが、かつてないほど重要であると自覚しています。ロータリアンである私たちは、これまでよりも柔軟に、クラブの例会、活動、発展の方法を決定でき、また、もっと多くの女性や多様な会員を迎え入れて、地域社会の特色をクラブに映し出すことに力を注いでいます。長期の計画、持続可能な奉仕、全レベルでのリーダーシップの継続性を重視することで、ロータリーが世界有数のボランティア組織であり続けるよう努力しています。

2017-18年度、「ロータリーとは何ですか」という問いに、私たちは「ロータリー:変化をもたらす」というテーマで答えます。それぞれどのような方法で奉仕することを選んだとしても、その理由は、奉仕を通じて人びとの人生に変化をもたらせると信じているからです。新しい遊び場や学校をつくる、医療や衛生設備を改善する、紛争仲裁者や助産師を研修するなど、私たちはその活動が、人数が多かろうが少なかろうが、誰かの人生をより良くしているのだと知っています。ロータリー入会のきっかけが何であれ、私たちがロータリーにとどまり続けるのは、ロータリーで充実感を得ることができるからです。この充実感は、毎週、毎年、「変化をもたらす」ロータリーの一員であることから湧き出てくるものなのです。