未来に向けた駅のあるまちづくりはじめます(PDF:2.30MB)
村岡地区のまちづくりについては、都市基盤整備事業の実施に向け、令和3年度に、神奈川県、鎌倉市及び本市(以下「3県市」という。)は同日付で土地区画整理事業等の都市計画決定・変更の告示を行い、また、村岡新駅の設置に向け、3県市と東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)で「東海道本線大船・藤沢間村岡新駅(仮称)設置及び自由通路整備に関する基本協定書」(以下「新駅設置等に関する基本協定」という。)を締結しました。
令和4年度からは、新駅設置等に向けた詳細設計や、都市基盤整備事業の事業認可に向けた協議を進めています。
今回は、現在までの主な取組状況について報告するものです。
1.神奈川県、鎌倉市との取組
(1)新駅設置に関する検討について
令和3年度に締結した「新駅設置等に関する基本協定」に基づき、3県市とJR東日本で、新駅設置に伴う詳細設計等実施協定、並びに本市とJR東日本で、自由通路整備に伴う詳細設計実施協定を締結し、令和4年度から2箇年で新駅及び自由通路の詳細設計を進めています。今年度は、測量、地質調査を実施しています。
(2)広域的なまちづくりの検討について
村岡・深沢地区土地区画整理事業の事業認可に向け、施行予定者である独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)と3県市で協力して、必要な協議・検討等を行っています。事業計画については調整中ですが、現時点では次のとおりです。
村岡・深沢地区土地区画整理事業の事業計画の比較(村岡工区のみ)
項目 | 単位 | 平成29年度 検討調査時 |
令和4年11月末 (調整中) |
||
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想定事業期間 | 年 | 12 | -※ | ||
地区面積 | ha | 8.6 | 7.3 | ||
施行前面積 | 公共用地 | ha | 1.6 | 1.5 | |
宅地 | ha | 7.0 | 5.8 | ||
施行後面積 | 公共用地 | ha | 3.0 | 2.7 | |
宅地(保留地含) | ha | 5.6 | 4.6 | ||
収支 | 支出 | 工事費 | 億円 | 57.4 | 72.5 |
事務費 | 億円 | 10.7 | 9.3 | ||
計 | 億円 | 68.1 | 81.8 | ||
収入 | 国庫補助金 | 億円 | 20.0 | 12.4 | |
保留地処分金 | 億円 | 20.7 | 57.0 | ||
市費(市負担) | 億円 | 27.4 | 12.4 | ||
計 | 億円 | 68.1 | 81.8 |
※深沢地区と一体施行のため、村岡地区のみの事業期間は未定
支出は、補償の考え方の見直しや、土地区画整理事業と新駅整備事業で重複する工事の費用の一部を土地区画整理事業費に計上すること等のほか、資材単価の高騰や、工事の週休二日制の導入等により増加となる予定です。
一方で、収入は、土地の増進が大きくなることが見込まれ、保留地処分金が増大し、市費が削減される予定です。
なお、村岡新駅周辺地区整備事業費はこれまで報告している見込みと変わらずに、当初の想定よりも市費の縮減が可能となる予定です。
2.本市における主な取組
(1)村岡新駅周辺地区のまちづくりについて
今後、約10年に渡り村岡新駅周辺地区におけるまちづくりを進めるにあたり、継続的に村岡新駅周辺地区のまちづくりに対する意見交換や検討を行う場として、市民や学識経験者、地権者、関係団体等が参画する「村岡新駅周辺地区まちづくり協議会」(以下「まちづくり協議会」いう。)を10月に設置しました。
また、令和3年3月に策定した「村岡新駅周辺地区まちづくり方針」を具体化するにあたり、令和4年度から2箇年でガイドラインの作成を予定しています。検討に際しては、まちづくり協議会から意見を頂戴するとともに、まちづくり等に対する専門的知見のもと検討をいただく有識者会議を設置しており、ふたつの検討組織を両輪としながら、とりまとめます。
なお、ガイドラインの検討にあたっては、指針や規制・誘導のルール等だけではなく、市民や事業者等まちづくりに関する多様な関係者の参画意欲を高め、将来地区像の実現に繋がる様々な提案を得られるような要素も取り入れることを目指しています。
(2)村岡新駅周辺の将来に向けた交通環境の改善について
令和3年度に本市と横浜国立大学で締結した「村岡新駅周辺の交通等まちづくりに関する連携協定」に基づき、横浜国立大学と連携して、現在の交通に対する地区の課題を定量的に把握するとともに、潜在的な移動に対する課題を抽出するための調査を行っています。
その中で、移動実態及び移動ニーズに関するアンケート調査を村岡地区全世帯に対して行いました。現在、集計・分析中ですが、一例として、75歳未満の層は自家用車の有無による週当たりの外出頻度に大きな差がなかったのに対して、75歳以上になると、その差が大きくなる傾向が明らかになっています。
今後は、把握した現況から課題を整理し、来年度以降、将来に向けた交通環境の改善シナリオや改善策について検討を行う予定です。
(3)官民連携のまちづくりについて
官民連携による現・藤沢市土地開発公社用地の活用を目指し、事業者等を公募する際に必要となる、主要な機能である研究開発機能の導入条件の整理や、土地区画整理事業を併行して実施することに伴う不確定な要素への対応等について、検討を行っています。
事業者等の公募については、二段階公募を想定し、第一段階として、令和5年度に、参画意向を持つ事業者等を公募し、事業者等との対話を通じて、最終的な事業者選定を行うための公募条件等について整理する予定です。
(4)村岡新駅南口通り線(シンボル道路)について
事業認可に向け、用地測量に関する地権者説明会の開催や個別の地権者協議等を行うとともに、用地補償に向けた調査を順次行っています。
また、村岡新駅南口通り線の円滑な事業進捗を図るため、沿道のまちづくりが可能となる事業手法である沿道整備街路事業の実施に向けた検討や、地権者との調整を行うとともに、関係各課との調整等も行っています。
(5)村岡地区の土地区画整理事業について
事業実施に向け、事業の進捗状況等に関する地権者会議や、土地区画整理事業の仕組み等に関する勉強会を開催するとともに、関係各課との調整等も行っています。
また、駅前のまちづくりであるため、地権者の土地の活用に関する課題や、良好な都市環境を形成するための様々な検討を行っています。
(6)まちづくりの機運醸成について
令和4年度は、村岡公民館と連携し、まずは10年後のまちづくりに向け、まちの変化を身近で見ていく小学生を対象としたまちあるきやまちづくり体験イベントを開催しました。
また、市民図書館と連携した企画展等、様々な世代に向けた事業周知も行っています。今後も、まちづくりを身近に感じてもらえるようなイベント・情報発信を積極的に行ってまいります。